部活と勉強の両立というのは,大げさに言うと永遠のテーマみたいなものです。


30年ほど前に,その両立を成し遂げた友人がいます。

その友人というのは,大学時代に住んでいた寮の隣の部屋の住人。サッカー部。

彼の出身高校は,全国大会での優勝が複数回あるサッカーの超名門校。

だから,練習も非常にキツいので有名。

私が必死こいて勉強して何とかギリギリ合格した大学に,この男は秋ごろ(高校サッカー選手権の県予選)までサッカーをやっていて合格したという。その話を聞いて,30年前,非常に驚いた覚えがあります。


そのことを思い出して,少し前に連絡して聞いてみました。


「どうやって両立させていたの?部活と勉強を」

「俺の場合は,フローに入ったときにまとめてやってたなぁ」

「風呂で勉強してたのか?」

「風呂じゃねえわ,flowだ。チクセントミハイの本を読めや?」

ということで読みました。


Microsoft Word - チクセントミハイ
フロー
心理学者のミハイ・チクセントミハイ著の『フロー体験入門』


フロー体験とは
・自分の心理的エネルギーが,100%,目の前の 今 取り組んでいる対象へと注がれている状態。
・時間や自分を忘れて,没頭,熱中している状態。


スキルレベル(自分の技術・技能)と本人が感じる難易度(挑戦レベル)との関係を示したのが上の図。


たしかに,スキルレベルが低いのに挑戦レベルが高いと感じていれば不安になりますし,スキルレベルが高いのに挑戦レベルが低いと感じていればリラックスしてしまって,目の前のことに没頭・集中できませんね。


では,どうすればいいのか?


取りあえず継続して自分のスキルレベルを上げる。
そうすれば「不安→覚醒→フロー」となる可能性がある。



難易度(挑戦レベル)を下げてみる。
今やっていることより少し前(基本)にもどってやり直してみる。(科目による)



さらに・・・
この本によると,家事などのやらねばならないことに関しても,取り組み方によっては,フローに入れるとのこと。物事をダラダラやるな とも書いてありました。


やってみました。快適な生活を送るためには必ずやらなければいけない家事。
苦手ではありますが,私は家事をすべてやっております。配偶者が家事を手伝ってくれないのではなく,配偶者そのものがいないのです,過去も現在も。

どうやったら効率よく家事ができるか,やる順番をどうするか,物を並べる位置をどうするか,今まで〇〇分かかっていたことが今日は何分何秒でできたか。そういうことに注意を向けながら家事をする。

苦手意識は まだありますが,結構,没頭できています。


この本には「生活の質」,「時間の質」を上げるためにどうしたらいいのかが書かれています。
それが「人生の質」につながる。


で,部活と勉強の両立のためには,「時間の質」を上げるのが一番だと思います。


そのために,取りあえずやってみて自分のスキルレベルを上げる,基本に戻ってやり直してみる,ダラダラやらずにやり方を工夫してみる というのが私からのアドバイスです。